Canon Camera Collection

キヤノン 一眼レフ・カメラ コレクションのページ

カメラに興味を持ったのは中学生の時でした。担任の先生が修学旅行の時にCanon FXという一眼レフを持ってきて記念のスナップを撮影してくれたのですが、子供心に「格好いいなあ」と憧れを持ったものです。実際に一眼レフを使い始めたのは親が一緒に使おうと買ってくれた、Canon New FTbというカメラでした。でも撮影の基本も知らなかったし、やはりフィルムカメラは現像などにもお金がかかり、本格的な使い方はしないままでした。

それからだいぶ年月は流れ、ふとしたことからカメラのコレクションを始めたのがちょうど2000年ころでした。詳しくはコレクションのページをご覧いただきたいのですが、昔欲しくても買えなかった当時の一眼レフカメラを、程度の良い中古を探し回って買い集めてきました。ものによっては数千円で手に入るので、当時の少年は興奮しながら銀座や新宿、果ては名古屋周辺にも足を伸ばして買い集めたものです。2010年現在で20台以上に上りますが、殆どすべてが今でも実際に撮影することが出来ます。

それらはいまでも私の大切な宝物として大事に防湿庫に収納されています。

 

カメラは機械好き、電気好きな自分の心を最もくすぐるガジェットのひとつです。精密光学機器と書くだけで、すごく神秘的で大切にしたくなる響きがあります。しかも一眼レフカメラを手にとってレンズを見つめたとき、そこに輝くシアンやアンバー、緑などのコーティングはさらに神秘的な奥深さを伝えてくれます。そして正確に数千分の一秒で開くシャッターと連動するミラーが奏でる音は嫌が応にも精密機器であることを実感させてくれます。ひとたびファインダーを覗けば、肉眼では味わうことの出来ない被写体だけをLock-Onするように吸い込まれるフォーカス。なんてすばらしい機械を人間は発明したのでしょう!

 

そんなカメラへの想いからすれば、やはり大好きなカメラというと1970年代から80年代にかけて製造されたマニュアルフォーカスの一眼レフ達です。そのころはまだ電子制御におまかせばかりでなく、しっかりしたメカニズムを体内に持ちながら、それらを支える金属ボディ。コンスーマー用でも手を抜かず、その時代の技術をフル投入しながら、Made In Japanの誇りを持って開発され生産されていたのです。もちろんレンズも鏡胴は金属製。少し抵抗感のあるしっとりと回るフォーカスリングと手元で直感的に設定できる絞りリング。特殊なレンズは使われていないけれど、こじんまりと手に馴染む大きさと重さは、美しい色を再現する予感を彷彿とさせます。

 

いまではズームが当たり前の標準レンズも、当時は単焦点が当たり前。50ミリに始まり50ミリに終わる。そんな言葉がアドバイスとして語られるほど、だれもが最初に手にした50mm焦点の標準レンズを、やはり同じように買い求めました。親父がスポンサーになってくれるまでは、お金がなくてF1.8ですら買えず、ショーウィンドーに誇らしげに飾られていた50mmF1.4付きのボディーを憧れを持って眺めていたあの日。

 

その親父の一言で、憧れのカメラとレンズを親父と一緒にヨドバシカメラまで買いに行った日。白い発泡スチロールの大きな箱を愛おしく抱えながら、山手線に揺られて持ち帰った時の記憶は今でも鮮烈に記憶となって蘇ります。

 

今ではガンガン高価なLレンズを買い求めて作品撮影に出かけている日々ですが、少年時代の憧れと夢を運んでくれたあのカメラやレンズ達がいまこうして徐々にですが自分の手元に集まってきています。販売されてから三十余年もの長い間、コレクターの手で大切に保管され全く使用されてこなかった貴重な一品から、丁寧に使われ傷どころか手垢すらない中古レンズ。愛好家の手により部品交換や整備により蘇った名機もあります。

 

これらは永遠に、撮影という本来の目的に使用されることなく、その生涯を送ることになるのでしょうが、記憶の続く限り昭和の時代にエンジニア達が、Made In Japanの威信をかけて作り上げた珠玉の作品として、輝き続けていくのでしょう。

 

そうした名機の数々を、実際に手にとってもう一度懐かしいシャッター音を楽しみながら、このウェブでご紹介したいと思います。

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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