COMPO BS/80

短命に終わった、TK-80BSのパソコン版

COMPO BS/80 (NEC 1979年)
COMPO BS/80 (NEC 1979年)
  • COMPO BS/80-A カセットデッキ内蔵:¥238,000
  • COMPO BS/80-B カセットデッキなし:¥198,000

TK-80+TK-80BSの組み合わせは確かにパーソナルコンピュータの予感を十分に感じさせるものでしたが、電源すら付属していないバラバラのキットで配線むき出しの状態では試作機どころか実験機状態でした。多くの方はこれらのセットをオーディオ用ケースを加工して収めていたのではないでしょうか。私もその一人でしたが。日本電気も考えたようで、1979年の4月にTK-80BSを専用ケースに入れた、COMPO-BS/80を売り出しました。COMPO BS/80はTK-80BSが中心で、8080A CPUボードはTK-80/Eではなく、小さな専用ボードとなっていて、コネクタを介してTK-80BSに接続されていました。そのためシステム・ブートからちゃんとLEVEL-2 BASICが起動されるようになっていたのです。

 

ところが驚くことに、COMPO BS/80を発売してまだ1ヶ月と経たないのに、日本電気は本格的なパーソナルコンピュータ、PC-8001を発表しました。Microsoft BASIC、Z80A互換CPU、スマートなキーボード一体型の本体、本格的なカラーグラフィックス、5インチ・ミニフロッピーディスク対応で、ディスクBASICも動作と、TK-80BSとは全く次元の異なるパソコンだったのです。それが本体¥168,000と、COMPO BS/80のカセットなし¥198,000より3万円も安かったのです。

 

このPC-8001の登場は一大ニュースになり、確かNHKのテレビニュースでも報道されたほどです。そのおかげでCOMPO BS/80はだれに顧みられることもなく、ひっそりとその短い製品生命を終えて行きました。

 

ユーザ数は少なかったと思われますが、COMPO BS/80を購入された方はPC-8001の発表に驚き悔しい思いをされたことと思います。

既存のTK-80/BSユーザのために、このCOMPO BS/80に使われていたケースや電源、カセット・デッキなどが部品レベルで販売され、ほぼ同等の構成にすることもできました。ケースについてはわからないのですが、電源などのユニットについては、日本マイクロコンピュータ株式会社(JMC)により販売されました。

  • BSD-1200MT、オートカセットデッキ:¥29,800
  • BSD-50PW、パワーサプライ:¥38,000
  • JMC CT-20、マイコン専用カセットテープ:¥550
  • BSD-80PRT、80桁放電式プリンタ:¥128,000

 

この日本マイクロコンピュータ株式会社という会社は、1975年に設立され当初はインテル社の販売代理店としてスタートしたようです。翌年にはマイクロコンピュータ技術養成学校を設立。さらに1977年からはNECのTK-80BSを受託製造開始しています。翌年にはCOMPO BS/80の受託製造も開始しているところから、当時NECの半導体事業部に深く入り込んでいたと思われます。TK-80BSやCOMPO BS/80の商品企画にも深く関わっていたかも知れません。

 

その後セイコーエプソン社やNEC社を皮切りに次々とパソコンメーカ各社との代理店契約を締結、パソコン教育やパソコン保守サービスなどを手がけますが、現在では会社名称を株式会社JMC、本社を高田の馬場に置き、教育現場へのPC導入のコンサルタントやサービス提供を主な業務に特化させているようです。

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