電子申請というやつ、やってみた!

本人認証用カードリーダ
本人認証用カードリーダ

理由などは後ほどこのブログで書こうと思っていますが、デジタル簡易無線機というのを購入しました。業務用途にも耐えるスペックの無線機なので、総務省に対して無線機の使用(電波の利用)について許可を得なければなりません。お役所が相手なので、ひとつひとつ指定された様式の書面で登録申請手続きやら届出書やらを提出し許可を得なければなりません。

 

それを無視したり怠ると、最高100万円の処罰が待っているそうな。昔ならいざ知らず、最近のデジタル無線機は無線機本体にある固有の情報を発話と同時に(勝手に)送信してしまいますから、総務省が行っている電波の解析ですぐ手続き済みなのかそうでないかがばれてしまうのです。購入してすぐ使ってみたいけど、ここは素直にまず手続きをしなければなりません。

 

ところが、最初の登録申請に15日程度かかりますよといわれ待っていたのですが、一向に手続き完了の知らせが来ません。そこで恐る恐る総務省に電話をかけてみました。担当の方の応対はすごく親切で安心したのですが、なんと手続きが遅れている原因は、先の震災復旧対応で相当量のデジタル簡易無線機が導入されたため、普段よりも遙かに多い登録申請手続きが殺到しているとのこと。

 

確かにね~。福島原発周辺の避難民一時帰宅で、皆さんがデジタル簡易無線機を渡されていたのをテレビでみたなぁ。

 

その結果、通常の3倍、1ヶ月半かかってやっと「無線局登録状」というのが送られてきました。それも総務省の「関東総合通信局長」の角印押捺で、まるで免許状みたいです。これで完了と思いきや、そうではありません。今度は所有する無線機の登録をしなければいけないのです。今度は登録状を受け取り無線を使い出してから15日以内に届出を完了しないと、また罰則・・・。

 

そこで、総務省がサービスしている電子申請を利用してみることにしました。

 

電子申請と言えば、国税庁が数年前より行っている納税確定申告の電子申告が思い浮かびます。基本的には同じ本人認証を使っているようです。これで来年は電子申告かな~。

 

さて、早速準備に入りました。これが結構大変でした。まず市役所へ行き住基カードの申請と発行をしてもらいます。カードには2種類あって、顔写真入りとなしと。普通の本人確認は運転免許証で良いので、ここは顔写真なしを選択。カード・リーダーを購入します。そして今度はパソコン上で公的個人認証サービスというやつに登録します。これには専用アプリをダウンロードして実行する必要があります。

ここまででパソコン上で自分の住基カードを使って本人認証の準備ができました。

 

それが終わると今度は簡易無線登録の準備に入るわけですが、まず総務省のホームページから環境設定ソフトやらユーザー登録やらわけのわからない作業を済ませなくてはなりません。そのたびにJavaのバージョン確認やら何やらとあっちへ行ったりこっちへ来たりと。あ~面倒くさ。それでもまだ本当の作業には入れません。

 

環境設定やらユーザ登録やらが完了すると、今度は総務省のページから電子申告のアプリをダウンロードしなければなりません。このアプリは申請する無線利用の種別によりアプリが分かれていて、間違えないように選んでダウンロードすることが必要です。今回は簡易無線用の登録申請アプリをダウンロードしました。

 

起動すると、申告内容によって実際の記入作業内容が分かれますが、申請から登録完了までひとつのアプリで処理させることが出来ます。ここまでくれば全体の90%くらいは終わったも同然。記入項目は多少お役所的だな~と思える部分もありますが、丁寧に読んで判断すれば間違えずに入力可能です。項目入力を始めてから10分以内に完了し、内容をチェックしたら送信して届出完了です。

 

今回は全く初めてだったので準備に時間がかかりましたが、実際の入力はおよそ10分足らずで、郵送のためのコストがまったくかからず、また申請・届出は確実にデータ送信されるのと受付番号が発行されるので、安心です。不満と言えば、準備に手間と時間がかかりすぎること。特に始めてからいくつものアプリをダウンロードして処理しなければ準備すら出来ないという点を改良して欲しいと思いました。これではパソコンに詳しくない人々にとってはハードルが高すぎます。

 

実は今回初めてわかったのですが、総務省の簡易無線免許に関してもナントカ協会みたいな申請代行業務を行っている団体があり、そこに会費を納めると申請・届出代行業務一切と、更新時の連絡をしてくれるのだそうです。これってまるで運転免許の更新代行を行う交通安全協会とおんなじじゃん!どうも電子申請の複雑さやハードルの高さは、このシステムは申請代行団体のために作られたような気がします。なにせ相手は総務省の天下り団体なのですから。それにある業者さんに確かめたのですが、どうも私みたいに直接申請をするユーザよりも、代行団体の申請処理を優先しているようです。たしかにネットで確認してみたら私より後に手続きをした(代行申請)人の方が先に登録状の発行を得ています。大震災の影響があるのも事実でしょうが、こうした不公平な取扱いを政府が半ば公然と行っているのはちょっといただけませんな~。こうした外部協力団体についても事業仕分けをするか、代行業者を増やすなどの競争原理を働かせて欲しいですね。

 

というわけで、無事に法律を守って簡易無線の登録と無線局の開設届出を完了しました。これでやっと電波を出すことができるようになりました。よかったよかったwww 今までの小電力トランシーバと異なり、出力が5W(半径3-5kmは電波が届くらしい)もあるので地方都市で運用する私と家族にとっては今後の防災対策のひとつとして大いに役だってくれることを期待しています。

 

総務省電波利用 電子申請・届出システム>>

 

デジタル簡易無線機 VXD-10>>

 

 

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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