Canon FL Lens

所蔵するFLレンズ群です。

Canon FL58mm F1.2

1964年3月、Canon FXと同時に発表された、大口径標準レンズです。それまでのRレンズ系とは異なり、来るべきTTL測光カメラ・ボディの開発を前提にして新開発されたものです。マウント部のレンズ脱着機構は銀色の部分を回すことによりボディーへのロック・解除が出来るようになっていて、これを「スピゴット・マウント」方式と言います。マウントのかみ合わせ部分は一見バヨネットマウントに似ていますが、脱着の際に固定リング以外のマウント接合部は互いに擦り合うことがないため、ハードな使用に対しても光学的な精度を維持できると言われていました。

 

このFL58mm F1.2は、FLレンズ群の中で最も明るいレンズです。本当は標準レンズなので50mmの焦点距離で設計したかったそうですが、当時の設計技術ではそれが困難で、やや望遠寄りになっています。ちなみに58mm F1.2はFLレンズの初期型です。PELLIXやFTQLなどが主役となる後期では、F1.2の標準レンズは焦点距離が少し短くなり、55mmとなります。

Canon FL50mm F1.8

同じくCanon FXと同時に発表された標準レンズですが、こちらはローコスト版で、F1.8の明るさです。ただ焦点距離は本来の姿である50mmとなっています。レンズ鏡胴も短く、ピントリングの幅が小さいため、やや操作しにくい感があります。

 

FLレンズはFDレンズと異なり、絞りリングはピントリングよりも前にあります(写真でいえばレンズ前面側にあるシルバーのリング)。そして、FL前期型では絞り連動・非連動切り替えリングが絞りリングとピントリングの間に入っています。

 

この当時カメラメーカーの間で流行技術であった、酸化トリウム含有についてですが、本レンズもその例に漏れず、やはり「アトムレンズ」であります。安全であるということは言われているものの自然界の20-50倍というガンマ線が常に放出されているということは、あまり気持ちの良いものではありません。

 

※アトムレンズについては別項で調べた結果をまとめたいと思います。

Canon FL55mm F1.2

Canon PELLIXやFTQL向けに改良された、大口径F1.2の標準レンズ(新型)です。FL50mm F1.4 IIと同じ年の1968年に発売されました。前期型(FL58mm F1.2)と後期型(FL55mm F1.2)の違いはもちろん焦点距離にありますが、自動絞り-手動絞り切り替えリングが、この後期型では距離計とマウント固定リングの間へ移動し、切り替えはA-Mの表示と共に金属の突起で操作するようになっているところです。

Canon FL50mm F1.4 II

Canon FL50mm F1.4II
Canon FL50mm F1.4II

FL標準レンズの中核である、50mm F1.4は、Canon PELLIXと同時に発表されました。その後FTQLが登場した後にF1.4 I型が登場し、その2年後にFL55mm F1.2に先だって1968年5月にこの50mm F1.4 II型となりました。従来に比べ半分以上のガラスを新規開発し、進化を続けるカラーフィルムに十分対応できる仕様としたものです。このレンズは1971年に発売となるFDレンズ群の開発基準となったほか、現代のCanon EFレンズ群に至るまでの流れを作る元になりました。

Canon FL200mm F4.5

このレンズは1966年9月に発売された普及価格帯の200mm望遠レンズです。同時に発表されたFL200mm F3.5に対して定価で4割近くも安かったのですから、喜ぶキヤノンユーザも多かったのではないでしょうか。この頃からキヤノンは各種交換レンズに普及価格帯のレンズを揃えていきます。今ではズームレンズで済ませてしまう世の中ですが、当時はまだズームレンズは高価で性能も単焦点レンズに比べれば劣っていました。普及価格帯とはいえ、レンズを何本も揃えていくことで満足感を味わえたものです。

 

鏡胴の各リングの位置関係は紛れもなくFLレンズなのですが、その雰囲気はまもなくやってくるFDレンズの香りを漂わせています。

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※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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