モラルハザード?

久しぶりに震災関連について書いてみたいと思います。

 

既に震災から4ヶ月経過しました。まだまだ油断の出来ない余震が続いていますね。また福島第一原子力発電所の大事故が日を追うごとに深刻な影響を及ぼしている状況が毎日報道を賑わしています。もちろん辞めると言って辞めない管首相の話題も・・・

 

これら最近の話題はいずれも本当に情けない話ばかりです。各々の話題の当事者たちは皆責任を放棄した発言ばかりで、ある種のモラルハザードが日本全体に蔓延しているとしか思えません。少し例を挙げてみましょう。

 

・放射能汚染された飼料を与えた肉牛を出荷した福島県の農家

確かに大元の原因はといえば、東電の福島原発事故にあることは誰も異議のないところです。しかしだからといって、放射能汚染の連鎖を招く行為を起こすことは明白であるのに、それを行い頬被りをして商品として出荷したことに対して、罪の意識がまるでありません。ていうか謝罪がまったく行われていません。近隣の農家はインタビューに答えて東電のせいだと怒っていましたが、それとこれとは別の次元の話です。東電のせいですべてを語るのであれば、非難地域のコンビニATMから現金を強奪する行為も許されてしまいます。マスコミは被災地域に同情して?何も語りませんが、これは明らかなモラルハザードとして事の善悪をきちんと判断していくべきです。ただし、結果論としてこういう行為を行った農家により福島牛を食する人は明らかに減るでしょうが、それは仕方のないことです。そしてそれはもはや風評被害ではないのです。風評被害を叫ぶなら、その原因はモラルハザードを起こした農家にあります。

 

また、農水省の「盲点だった」という発言が真実であれば、これまた余りにも稚拙な発言と言わざるを得ません。なぜなら放射性物質はあらうるところに「降り注いだ」という事実は、農産物からの検出が4月以来続いていることを一番知っているのは農水省だからです。「盲点だった」などとは言わせないし、逃げ口上に過ぎています。農産物やあらゆる地面に降り注いでいるというのに、稻わらにだけ降り注がないわけはないでしょう。こういう小学生でもわかる嘘をつくのはやめていただきたいです。

 

・やらせメールを書かせた九電の経営陣

もうこれは酷すぎます。めちゃくちゃです、ていうか、子供のするようなばかげたことです。いまどきこれだけネット社会であり情報なんてどんどん漏れていくのに、何を考え何をやっているんだろう。しかもメディアによると141通もメールを書いたという。これがまさに141人なのか複数の人間を語って複数のメールを飛ばした実行者がいたのかはわかりませんが、まさに世論操作を行おうとしたわけで、末端の協力者は何の抵抗もなかったのでしょうか?しかもその首謀者たる副社長だけでなく、会社全体の運営責任者である社長が平気でポジションを守ろうとしている。いまどき大会社ともなれば現社長の代わりになる力量を持つ人材なんていくらでも社内にいます。それとも人脈とか出世ポスト・出世の順番などに綿々としているのでしょうか?きっとそうでしょうね。日本の会社組織も落ちたものだと情けなくなります。経産大臣が九電社長は辞めろといちいち指図をしないとわからないのかなぁ。

 

・言いたい放題で責任感のない管首相

周りから辞めろ辞めろの大合唱で四面楚歌の管首相。脱原発だの自然エネルギーへの大転換だのキレイな言葉ばかり並べて政府執行部や与野党を混乱に陥れていますが、もし本気でそう思っているのならあまりにも偽善的すぎます。

 

全体的な構想(Vision)も、具体的な時間軸(Milestone)と要所要所の具現策などを全く示していないので、当たり前の話ですが「総論賛成各論反対」の状況をいきなり招いています。そんなこと政治家歴の長い首相のことだから、何もわからずやっているはずはない。あの手法は明らかに意図的なものです。でももはやその神通力はなくなってしまっているのが「想定外」ではないでしょうか。今や原発に関する見通しについて原子力委員会や原子力保安院の言う言葉をだれも信じなくなったように、管首相の美辞麗句はもはや信じる人はいなくなったのです。

 

もはや閣僚も、政府執行部も、与党執行部も、そして各省庁も、殆どの人々は管首相についていっていません。いくらアジェンダ(Agenda)だけ唱えても、それを具現化するべき人たちがアゲインストしてしまっているのです。むしろその言葉に一喜一憂しているのはマスコミだけなのではないでしょうか。

 

管首相に市民運動家であったことを語って欲しくはないです。市民運動のリーダーにはあり得ないことを繰り返しています。市民運動家出身であるなら、その市民から支持が得られなくなったことを素直に認め、退場していただくことを本当に願っています。おわかりと思いますが、市民は決して愚民ではありませんよ。

 

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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