偉そうな東電幹部

CarViewブログサイトに投稿しましたので、以下はその内容です。

 原則的にはこのブログにはクルマの関連しか書かないのですが、ちょっとプツンと切れてしまったので、 敢えて書きます。一回だけ、乱暴なブログをお許しください。

今朝のYahoo Newsを見ていたら東電の勝俣会長の発言が掲載されていました。原発事故当時、管首相や細野補佐官から福島第一原子力発電所の吉田所長に対して直接問い合わせがあったことが事故処理を遅らせたという批判をしたというのです。

何なのその上から目線というかデカい態度は。世界的・歴史的にも類を見ないほどの事故を起こした企業の長たる責任者というだけでも万死に値するというのに、彼ら東電経営陣から発せられるべき心からのお詫びや、天文学的な損害賠償などを値上げや税金という形で国民に負担してもらうことに対しての感謝の発言(これはまだ決まっているわけではないけれど)、そして東電の利用者へ心からの協力要請をしたりというメッセージを送ることをせず、ただひたすら沈黙を守ることで世間の批判をかわしつづけるだけでなく、この管元首相への批判たるや、あまりにも無責任で到底被害者には耐えられる発言ではありません。完全に当事者能力を失っています。

思い出しましょう。事故直後に東電は政府に対して何と言ったのか。手に負えなくなったから従業員を全員退避させたいと言ったのです。まだ放水やら何やらをする前の話です。現地従業員の中には原子力の専門家もいたはずですが、そうした人々ですらさじを投げてしまったのです。ある意味彼らは日本国民すべて、いや世界中をも放射能という今よりもはるかに大きい範囲で未曾有の災害に巻き込もうとしたのです。自分たちの命と引き替えに。それを指示しようとしたのが東電の経営陣達だったのです。

そのことを知った当時の管首相はそれを一喝しました。結果、専門家が逃げだそうとした現場に素人の自衛隊や消防隊が送り込まれて必死で冷却させたことは皆さんご存じのことです。管首相の対応にはいろいろな論議を呼んでいるようですが、少なくとも東電を一喝して強力に対応を進めさせようとしたことに対して私はそれを強く支持します。

それを批判ですって?何を仰る。もし管首相が強力に推進しなければ何が起きたのですか。現場の従業員を退避というか逃げさせてしまって、誰もいなくなったメルトダウンした原子炉を放置しようとしたことだけでも背筋が凍るほどの寒さを覚えます。管首相が直接電話をしたから作業が遅れた?それはうそでしょう。管首相が東電の言うことをそのままハイハイと聞いていたら、関東地方一円に至るまで広範囲が放射能に汚染され、人が住めなくなったかもしれなかったのです。管首相はそんな無責任な東電の経営陣や組織を信じなかっただけです。そもそも事故が起きて、それを収束させることもできない設備を作った企業の責任はどうしてくれるんですか。それを自覚もせず過ちを犯した企業の責任を本心から謝罪したこともない企業として何も言う資格はありません。とんでもないことです。

私が権力者であるなら、こんな企業に対して次の要求をします。東電、その子会社ならびにすべての東電資本関連企業の本社機能を福島の原発付近に移転させます。同時にそこに勤務する従業員、経営陣、ならびにその家族も移転させます。そのくらいさせなければ被災地域住民の受けた被害を心から理解することはできないと思います。自らが放射能の恐怖におびえ、住み慣れた場所から無理矢理移住を余儀なくされ、子々孫々に至るまで放射能の影響を心配し続ける。これらはみな被災地域の住民達が味わっていることです。いままではオトナの対応とか(まったく良い言葉ですよ)で黙っていましたが、ここまで言い逃れをするなら同じことを東電の組織全体に要求しますね。

管首相の大きな過ち、それは東電を倒産させなかったことだと思います。

東電経営陣のあきれた無責任さと言動に対して不満がたまる一方ですが、ついにそれも限界。どうか良識ある東電社員の皆様、良識ある会社への改革に向けて行動を起こしてください。新しい東電に生まれ変わってください。多くの東電社員の皆様にはこうした良識をお持ちであると信じています。そして何十年かかろうと、何万年もかかろうと、責任を持って収束に取り組むために原子炉と闘ってください。そのための新しい技術開発を続けてください。そのことが世界のどこかで再び起きるかもしれない原発事故から人類を救うでしょう。それがきっと多くの被災地住民の皆さんや、多くの日本国民に報いることだと思います。

※勢いに乗って一気にブログ原稿を書いてしまってからYahooニュースを読んでいくと、関連記事リンクに次のような記事がリンクされていました。

http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2012030800005.html

これを読むと、実に私の意見と全く同じであることに納得してしまいました。また私のブログでは触れられていない数々についても同じ意見でしたので、これらも併せて読んで頂くことをお勧めします。とにかく、管元首相のマイクロマネジメントを批判するメディアの論調に違和感を感じていましたので、やっぱりそうだったのかと思うことしきりです。ここまで人類を恐怖に陥れた東電が今もなお政治力で責任を逃れようとする姿を見るに付け、このことは子孫末裔にまで語り伝えないといけないと思いました。偏差値の高い東電の経営者諸氏、今のまま責任逃れや転嫁を続ける限り、あなたたちのことは決して忘れないし許しません。

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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