SONY SKY SENSOR 5900

スカイセンサーのヒットモデル 希少な5900後期型

SONY スカイセンサーICF-5900後期型
SONY スカイセンサーICF-5900後期型
スカイセンサーカタログ1977.2
スカイセンサーカタログ1977.2

SONYスカイセンサー5900

 

・ICF-5900

 (昭和50年10月発売):前期型 

 ¥27,800

 

※ICF-5900には当初発売した前期

  型のほかに写真の後期型、さらに

  輸出用のICF-5900W(ワールド

  モデル)が存在しています。後期

  型や輸出モデルの発売時期は調

  査中です。

ICF-5900は、確かスカイセンサーという名前のついた最後の機種だったと思います(同モデルのラジカセ版を除く)。でも実はこのICF-5900が登場した当時のことをよく覚えていないのです。その時は既に所有していた初代のスカイセンサー、ICF-5500がまだ現役でバリバリ活躍してくれていたし、短期間のうちに買い換えるほど貯金はなかったし。でも最も大きな理由は、自分の興味がBCLからFM放送やもっと高級なオーディオの世界に向いてしまったからでした。    

5900を買えない小僧がオーディオ装置なんて買えるわけないじゃん。そうです。確かに買えませんでした。当時刊行されていたFMfanという雑誌を欠かさず読んで、新型のオーディオ・コンポのレビュー記事を読み返し、カタログを集めてはため息をつく毎日だったのです。そして、高校で入部した放送委員会では、結構本格的な業務用装置を自由に使えた事もあり、もはやラジオは「ながら勉強」や深夜放送のお供に格下げされてしまっていました。

 

しかしこのICF-5900は、当時を知る人達にとっては今でも人気の機種です。トールボーイの姿は見事に継承され、ポップアンテナやチューニングダイヤルの幕、スイッチ類の形状などICF-5500で確立した特徴はそのままに、5900以降のソニーBCLラジオへ移行しつつある高精度なチューニングダイヤルとサブダイヤルの構成など数々の改良が施されて、選択の難しい短波系の放送局を合わせるための工夫が見られます。

聞こえてくる音質も5500に比べると低音がよく鳴って全体的にバランスのいい音がします。ただやっぱりご愛嬌程度のTONEコントロールではありましたが。

人気のある機種だけあって、この5900を取り上げているウェブサイトは多くあります。またオークションにも比較的多く出品されていて、やはり比較的高値で取引されているようですし、一部の技術者の方が部品交換や各種調整をしたレストア品を出品されたりしていますので、コレクションマニアの方々はお持ちの方が多いと思います。写真の個体もそうした調整済み品を入手したものです。

中には不十分な調整のままの個体もあるようですが、私の入手した個体はきちんと調整されていて、受信感度も高く現役の頃を彷彿とさせる良い状態が復元されています。ICF-5900をご存知の方はすぐ気付かれたと思いますが、これはいわゆる後期型というモデルで、サブダイヤルが直読式のタイプ。BFOのビーコンを聞きながらサブダイヤルで目盛りを合わせるだけで一発で選局が出来ます。この後期型はあまり生産量が多くなかったようで、ちょっとレアな存在です。

このICF-5900以降、ソニーのBCLラジオは、本格的な海外ラジオを受信するための設計となり、ICF-6700/6800といったラジオというより受信機といった形に特化して行きます。深夜放送もブームが去り、BCLラジオは一部のマニアだけの存在になって行きました。今日ではこの様なBCLラジオの名残としてはアマチュア無線向けのメーカーが販売している広帯域受信機に残されているのみです。広帯域受信機も今や遠距離の短波放送を受信するというより、各種の業務無線を聴いたり盗聴電波を発見するために使われたりと、だいぶ目的が変化してきているようです。

 

また、技術的にもアナログ的なBCLラジオの発展系としては、この5900あたりまでで、少し異色なICF-6000を除くと次のICF-6700あたりからは徐々にチューナのデジタル化が進んでいきます。ICF-5900は発売後4年間生産・販売を続けましたのでスカイセンサー・シリーズとしては寿命の長い方だと思いますが、その生産完了後翌年に"Voice of Japan"というキャッチコピーのもと、完全デジタルシンセサイザー・チューナー搭載のICF-2001が登場して大きな話題を呼びました。


そういう意味では、このICF-5900あたりが、アナログ・ラジオの頂点を極めたモデルであり、またBCLラジオ・ブームの頂点であり最後を飾った名機と云えるのでしょう。

 

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