SONY ICF-SW100S World Band Receiver

マルチバンドの小型化を追求した第二世代

SONY ICF-SW100S World Band Receiver
SONY ICF-SW100S World Band Receiver

発売:1994年2月21日

¥54,000

 

※本製品の製造完了は2008年です。2012年5月末現在、有償修理対応は継続されています。

このICF-SW100Sは、その先代モデルであったICF-SW1SとともにBCLラジオの小型化に挑戦した、まさにソニーらしいラジオだと思います。ICF-2001で確立し、ICF-SW1Sでも搭載されたPLLシンセサイザー・チューナーは本機でももちろん採用され、より一層の小型化に貢献しています。いかなるバンドもダイレクトに選局ができるため、操作は非常に簡素化され誰にでもすぐ遠距離受信を可能としています。

 

さらに特徴的なのは、このICF-SW100SがあくまでBCLワールドバンド・ラジオの一員である証拠として、先代ICF-SW1Sでは搭載することの出来なかったSSB受信モードと同期検波モードの搭載を実現してきたことです。特にそれまでのオーソドックスなBCLラジオでさえ必ずしも搭載することの出来なかった同期検波モードを搭載することで、特に遠距離MW受信や放送系短波受信時の選択度を著しく向上させる機能として、特に遠距離受信、言い換えれば遠く日本から離れて活躍する企業戦士の方々にとっては欠かせない機能となったはずです。

 

ボディは先代より一層小さくなりましたが、使うときだけ広げるというノートPCのようなクラムシェル構造にしたため、逆に有効面積は広がり、液晶表示部は先代よりも数倍広くなり、周波数表示だけでなく放送局名なども表示できるような便利な表示となりました。またスピーカもSW1Sよりも大きく円形になったため、歪みの少なく一層大きな音量が出せるようになりました。

 

一方、初期型ではクラムシェル・ジョイント部のフレキシブルケーブルが折れやすいという問題を抱えてはいましたが、対策部品が出ていますので、修理対応が可能となっています。

 

受信感度に関しては手持ちのスカイセンサー(5500-5900)よりも遥かによく、短波も含めてPLLのため受信安定度が優れています。中波に関しては別稿で紹介している超高感度のICF-EX5にはかなわないものの、スカイセンサーなどより遥かに感度が高く、時代の経過を感じさせます。

PLLチューナーですから当然受信周波数を指定してそれをメモリーにいれておく事ができ、一発選局が可能です。しかもそれを短波局に対してもできるところが便利この上ない点でしょう。 メモリーに関しては、先代のSW1Sに比べるとじつに10倍にもなっており、事実上不足は感じません。しかもそのメモリーはメモリーカラム単位で分類も出来るし全くバラバラにFMやMW,SWなどの放送局を入れることもできます。

 

スピーカーはクラムシェルの蓋側にあり、SW1Sのようなスペースの制約を受ける事がないため、円形スピーカーを配置しています。しかも利用時にはスピーカーは常に利用者の正面にくるため、音のエネルギー中心軸が最も効率の良い位置に来ています。ですから音の明瞭度や音域、音量などについて、この小さなボディから出た音とは思えないようないい音を出してくれます。 ちなみにスピーカーはもちろんモノラルですが、ヘッドフォンをつければステレオ受信となります。

 

先代と同じく、FM以外については付属のアクティブアンテナを接続することで受信感度を上げることが出来ます。先代ではアンテナモジュールとラジオ本体との間にRFアンプを接続する必要がありましたが、このSW100Sでは直接アンテナのプラグを本体に接続するようになりました。RFアンプは本体に内蔵したようです。

 

いずれにしても、この小さなボディでよくこれだけ受信できるものだと関心しますし、今でもその技術は世界に誇れるものだと思います。

 

実際このモデルは発売後14年間も生産され続けるというロングセラーで、世界の果てまで飛び回る日本のビジネスマン達が故郷日本からの近況放送を聴くためにこよなく愛されてきたのです。この個体もそういったビジネスマンの一人が駐在員として中近東に派遣されていた際に愛用されていたものだそうです。
 
丁寧に使われていたと思われ、程度もよく受信性能もとてもいいのですが、本体外装部分にべとつきが出ています。1980年代後半から1990年代にかけて、SONYのオーディオ・ビデオ系ポータブル製品では一部の製品に滑り止めの効果を狙ってのことなのかゴム状の特殊な塗装やシートを貼り付けています。これが数年間を経て劣化というか化学合成変化を起こしてべとつきが出てくるのだそうです。

 

私の所有するSONY製品のなかでも、DATウォークマン、DVカムコーダ、ビデオ・ウォークマンなど多岐にわたりべとつきが出て使いにくく外見も汚れてしまっているものが多くあります。それらの殆どは既に修理サービスも終了されていて交換するすべもありません。過去一部の製品についてはSONYは無償で外装交換をサービスしていたようですが、残念ながら私はその情報を知らず機会を逃してしまいました。確かに機能的な問題ではないのですが、ユーザへの周知を徹底していただきたかったですね。

 

このICF-SW100Sは生産完了になってから比較的日が浅くメーカも修理をサポートしていますので、試しに他の部分の修理と併せて外装交換を依頼してみました。どのように対応していただけるのか興味があります。

 

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2011.1追加

 

ICF-SW100Sの修理が無事に終わり、戻ってきました。さすがです。すべてのべとつきに関連する外装の交換をしていただきました。さらにアクティブアンテナ関連についてはまるごとの交換となりました。その結果、前期型固有の問題であるヒンジ部のフレキケーブル折れ問題を回避する対策部品が装着となりました。これで見事に新品同様!SONYラジオの代表的な逸品として先代のICF-SW1Sとともに大切にしていこうと思っています。

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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