SONY Solid State New11 TFM-110F / STA-110F

1960年代ソニー・ラジオの最高傑作

SONY TFM-110F(右)とステレオアダプタSTA-110F(左)
SONY TFM-110F(右)とステレオアダプタSTA-110F(左)

SONY

ソリッドステート11シリーズ

 

・TFM-110

 (昭和40年4月発売)
 .....¥12,500

・TFM-110D

 (昭和41年1月発売)
 .....¥14,500

・TFM-110F

 (昭和42年6月21日発売)
 .....¥13,800

 

 

SONYラジオカタログ 昭和42年
SONYラジオカタログ 昭和42年

SONY

ステレオ・アダプター11

 

・STA-110

 (昭和40年4月発売)

 .....¥9,900

 

・STA-110D

 (昭和41年1月発売)
 .....¥9,900

・STA-110F

 (昭和42年6月21日発売)

 .....¥10,000

 

昭和32年(1957)12月24日、日本で最初のFMラジオ放送実験局(JOAK-FM)が開局しました。従来の中波ラジオ(MW)や短波ラジオ放送(SW)に比べて飛躍的に音質の向上するFM放送は、実験局のまま全国各地にNHK-FM放送として展開を始めます。それからわずか3年後の昭和35年(1960)5月1日には東京代々木にあった東海大学により民放FM実験局が開局(FM東海、今日のFM東京)し、さらに昭和38年12月16日にはNHKから国内初めてのFMステレオ放送が始まるなど、いよいよ音楽ファンの期待を高めるインフラが整い始めました。

 

※実はFM方式(周波数変調方式)の放送という意味では、テレビ音声放送が先に放送開始となっており、それは1953年(昭和28年)に始められていますが、ここではラジオ放送ということで述べていくことにします。 

 

そんな最中の昭和40年(1965)、SONYから今までになくスタイリッシュなラジオが発売されました。それがソリッドステート11(TFM-110)でした。今までのラジオのデザインを大きく覆し、メタルのシルバーヘアライン加工を基調としたクールでスクエアなデザイン。さらにボディ左右にチューニングつまみとボリュームつまみを配した特徴あるデザインは、後に普及していく新しい世代のラジオとしての基礎を築いたと言って過言ではありません。 さらにFMステレオ放送を受信できるアダプター、STA-110(¥9,900)が同時発売となり、ポータブルラジオでもステレオ放送へ対応とする意欲的なモデルでした。

 

その後受信感度向上を目的とした改良機(TFM-110D)が翌年1月に発売になると、アダプターもSTA-110Dがとなりますが、従来機(STA-110)とは同一仕様だったようです。そしてオールトランジスタ・ラジオとしての最高傑作とも言えるTFM-110Fへと続きます。

 

これら3機種のシリーズ名として「ソリッドステート11」と呼ばれています。ソリッドステートとはトランジスタを使用しているという意味で、最近でもフラッシュメモリのドライブなどにもこの名称が使われています。11とは使われていたトランジスタの数で、11石(トランジスタの数を表す単位を石といいます)であったことからこの数字となったものです。その後TFM-110Dと110Fでは性能向上のために12石になったのですが、シリーズ名としては11に据え置かれました。

 

TFM-110Fでは新たにチューニングメーターを周波数ダイヤル表示下部に新設したほか、TONEコントロールをボリュームを使って連続可変にできるようにするなど設計が変更されています。これに伴いステレオアダプターも改良が加えられ、ステレオ受信メーターの廃止とそれに代わるステレオ放送インジケーターランプの追加、TONEコントロールの連続可変への変更などが加えられ、STA-110Fとなっています。このSTA-110Fは、ラジオの主力モデルがIC-11シリーズやスカイセンサー・シリーズになっても接続して使用できるようになっていました。デザイン的にはソリッドステート11シリーズのままだったので接続するとアンバランスなスタイルであった点はご愛敬といったところでしょうか。

 

最後のTFM-110Fは、約2年後の昭和44年(1969)にICF-110(ソリッドステートIC-11)が登場することで世代交代を迎えます。

 

私がラジオを欲しくてたまらなくなった頃にはちょうどTFM-110Fは頂点を過ぎ末期の頃でした。新しく登場していたICF-110のほうが性能も高くさらにデザインにも新しい発想が取り入れられていたため、結局そちらを選んだために結局購入することはありませんでしたが、数年前に保存状態のよい個体が入手できたたため現在もステレオ・アダプターとともに動態保存をしています。

 

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ソリッドステート11シリーズの生産完了時期について

ソリッドステート11各機種ならびにステレオアダプター各機種の生産完了時期は次のとおりです。このモデルの場合は、次の機種が出た時点で生産を完了するというサイクルです。

 

TFM-110    生産完了は昭和41年1月(1966年)

TFM-110D 生産完了は昭和42年5月(1967年)

TFM-110F 生産完了は昭和44年(1969年3月)

 

STA-110D、110Fの生産完了はどちらも昭和46年3月(1971年)となっています。(以上、情報はSONYのサービス・サイトにて確認)

※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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