余震の度に震災の記憶が蘇る今日この頃ですが、皆さんもそれぞれの復興へ向けて力強く立ち上がっておられるのではないかと思います。震災後しばらくの間はどこか気が抜けたような気持ちが続き、とても美しいお花を追いかけて写真撮影をする気持ちにはなれなかったのですが、震災後一ヶ月過ぎたころからようやく普段通りの気持ちが戻ってきました。やはり春ならではの爽やかな気持ちを写真に残したいと思い、恵美さんをフラワーパークへと連れ出しました。
このフラワーパークは、ほんとうは薔薇が特長なのです。残念ながら薔薇の季節には1ヶ月も早く、一部の早咲き種しか咲いていませんでした。けれどもごらんのように多種多様なお花が咲き揃って、とても綺麗な美の競演となりました。お花には疎い私なので、これとあれと、それも咲いてたよ~などと表現できないのが悔しいですが(笑)、でも優しくきれいなお花ばかりでした。
ここは東京からそれほど遠いわけでもないので、その日は存分に時間をかけて撮影をすることが出来ました。お天気も雲がかかって直射日光は鋭くなく、陰のコントラストが目立たなかったことも幸いでした。
最初はポートレートの定番で背景をきれいにぼかして撮り始めたのですが(最初の数カットがそれです)、ぼけ過ぎでお花だか何だかわからないくらいになってしまいました。それじゃつまらないってわけでテスト撮影をしながら絞り込んでみたら、結局F11くらいにまで絞らないとならなくなりました・・・。それでも十分明るかったし、デーライト・シンクロをかけたので露出は良好です。一応撮影ポイントを変える度に露出補正と調光補正はしましたが、いつになく概ねカメラ側のホワイトバランスやAEなども良好で、露出面から言えば殆どRAW現像時の補正は不要でした。ただし実際には意識的に補正を入れて、恵美さんという女性をより強調するような形に仕上げてみました。具体的には若干のシャドーを深くしてから彩度を少し上げ、場合によってはホワイトバランスを少し動かしています。顔のてかりが出てしまった部分はハイライトを下げて押さえ込みました。
殆どのカットはAvモードでF11付近(最初の数カットはF4くらい)でしたが、ISOがAUTOだったにも関わらずISO=400程度で撮影されていました。それなのに一部のカットについては顎のあたりにノイズが生じました(ピクセル2倍表示)ので、ほんの少しだけノイズ除去をかけてあります。その他殆ど問題はありませんでした。色合いの感じですが、やはりCanonカメラの特徴なのか赤色系が鮮やかで綺麗です。またハイライト部階調優先で撮影したので、白い花びらも飛ぶことなくしっかり表現されており安心しました。
さて、またこれからはいつものように毎月撮影を行っていきます。撮影を始めた当初は未成年だった恵美さんも、今では立派な大人の女性になりました。そうした移り変わりとその魅力を表現できるように挑戦していきたいと思っています。
使用機材:Canon EOS 5D Mark II/EF24-105mm F4L IS USM,
EF17-40mm F4L USM