動物の目線に立って観察することが出来る新しい取り組みは、北海道の旭山動物園に始まり大好評を博して全国の動物園や水族館へと広がりを見せています。茨城の大洗水族館もまたそうした試みを取り入れた新しい水族館です。
去年の夏は秩父の長瀞で、あまりの猛暑と湿気にひどい思いをした撮影でしたが、今年は涼しさを求めて海と水族館とそして渓流へと茨城を縦断しました。
台風が日本海を縦断しているさなか、外海の大洗海岸はそれでも波は大きくはなく、海からの風が気持ちいいドライブとなりました。去年とは打って変わって気持ちよさそうな恵美さんの顔がほころびます。もともと動物が大好きな恵美さんは水族館の様々な魚に興味津々、旅行したことがある沖縄の海を模した水槽では思い出したかのように、わーキレイ!とため息をついていました。
大洗の海は水平線も鮮やかに、空はどこまでも高く、ぽっかり浮かんだ雲は綿飴のように柔らかく白く光って、夏の日でした。
海を離れて一路山へと入っていきます。茨城は海と山が近いのです。袋田は奥久慈の一角にあり、渓流はあくまで澄んだ水と北関東では名滝に数えられる袋田の滝があります。怪談話でもしたくなるトンネルを抜けると、いくつもの白糸が連なる袋田の滝が目の前に飛び込んできます。その美しさに、初めて来たという恵美さんはその景色に息を呑んでいました。
水族館での撮影は初めてでしたので、結構難しかったです。まず夏休みだったので子供連れがいっぱい(^^;)お魚たちにいっぱい登場していただくようなフレーミングがとれません。次にやはりというかストロボ禁止の水槽が比較的多いです。そうでなくても一心に水槽を見つめている方々の前で大型ストロボを光らせるのはかなり迷惑ですから、ものすごーく気を遣いました。さらに、やはり位置関係によっては気を遣ったとしてもストロボ光が水槽に反射してしまいます。これらを考えると、子供や親たちの長期休暇期間を避け、ストロボが使える場所の多めな水族館を選んで撮影した方が良さそうです。三脚とかを立てることはスペース的に無理です。モデルさんとお魚を同時に捕らえるために、かなり絞りました(今回はF11での撮影が多いです)。
撮影機材: Canon EOS5D MarkII; EF24-105mm F4L IS USM