梅を題材に撮影したのは去年の3月以来です。今年はもうすぐ東京でも桜の開花が予想されていた3月中旬に、水戸の偕楽園で梅が満開との報道を聞き、急いで訪問することにしました。
前回も思いましたが、梅の花は桜と異なり淡くてほんのりと色づく可憐な装いです。でもさすがに満開ともなると、偕楽園に植えられている多種多様な梅の花が、その美を競っています。圧倒的に白い花弁が多い梅の花ですが、ピンク系ももちろんあり、さらには濃い赤色の花もあって、それらが混じり合い桜の花とは全く異なる趣です。
偕楽園はきちんと管理されていて、桜のお花見とは違い泥酔客などはおろか、ゴミもありません。ですからとても気持ちよくお花見撮影をすることができました。
さて、今回の撮影は前回と機材は同じだったのですがこれまでポートレート撮影を繰り返し失敗などの経験も踏まえて行いましたので、背景のボケ方なども考えたとおりの出来映えになっています。特に恵美さんと梅の花の部分で被写界深度をできるだけコントロールしながら撮影しました。
ただ、梅が満開ということは来場者数もたいへんに多く、散策している人々が視界に入らないようにフレーミングしなければなりません。その一方で恵美さんの部分の露出を上手にコントロールしなければならないのですが、大がかりなレフ板などを用意するわけでも助手がいるわけでもないので、原則的に逆光ベースでハイスピードシンクロをかけて撮影します。
機材としてはキヤノンのEOS 5D MarkIIをベースにしていますが、どうも噂どおりEOS系は純正スピードライトを組み合わせるとき発光不良となる場合があるようです(連写の場合で2枚目以降)。そのことはだいぶ前からわかっていたので、撮影しながら恵美さんに発光の有無を確認したり液晶モニタでの評価を繰り返しながら撮影を行いました。
背景の明るさは十分であり、また今回は特に調光補正をしなくても恵美さんの部分の露出はちょうどよかったので、背景の露出補正を若干加えただけでほぼ満足のいく撮影ができたと思っています。
当日は暖かかったので、恵美さんのマフラーとコートは(とても可愛かったのですが)、脱いでもらっても良かったかなと写真を見ながら思いました。でもこのコートやマフラーの淡い色彩がまた梅の花とよく合っていることも確かですね。
撮影機材: Canon EOS 5D MarkeII; EF24-105mm F4L IS USM