SONY Digital Audio Tape Deck DTC-77ES

部品や設計に潤沢なコストを投入した時代の傑作

SONY DTC-77ES DAT Deck
SONY DTC-77ES DAT Deck
SONY DTC総合カタログより ©SONY CORP. 1991.6
SONY DTC総合カタログより ©SONY CORP. 1991.6

SONY DATテープデッキ

 

・DTC-77ES

  平成2年(1990年)10月発売

 ¥160,000

 

・DTC-77ES(N) :シルバー

 平成2年(1990年)10月発売

 ¥160,000

 

※製造終了は1993年 

 

DATは、すでにビデオ・デッキを用いたPCMレコーディング技術を本格的に規格化する形で1983年以来業界内で設立されたDAT懇談会の成果として1985年に規格が発表されました。その中でビデオデッキと同じ回転ヘッドを用いたR-DAT方式の製品としてSONYから1987年3月に初代のDATデッキとしてDTC-1000ESが発表されました。

 

これを見て、定価20万円という高額さに手が出なかった私は、CDの時と同じくポータブル機で価格が下がるのに期待をすることにしました。しかも録音が出来るなら、カセットデッキと同じで"デンスケ"として使えると思ったからです。果たせるかな、それはTCD-D3という初代のDAT Walkmanが1990年10月に登場することで、それが私のDAT購入1番目となりました。

 

しかし、そのころまで使用していたメインのカセットデッキであったTC-K7がついに故障してしまいました。そのときはもう改めてカセットデッキを購入する気持ちにはなれなかったけれど、TCD-D3はやはりポータブル機であって、それがメインのデッキとしては使いにくいこともあったので、たしか1993年のことだったと思いますが製造末期のDTC-77ES(N)を奮発して購入しました。

 

DTC-77ESでググってみますと、この機種の評価としてDAコンバータにSONY初1bit DACが使われており、音があまりよくないと書かれているようですが、私には音質は十分だと今でも思っています。頭出し機能もABSタイム、スタートIDの調整機能やID編集した後の再割付機能など便利で重宝しています。

 

ただ、DATというものは規格的に非常に高精度が求められているのか、長期間動作させないとすぐ不調になります。DTC-77ESは一度走行系のオーバホールを行いましたが、数ヶ月使用しなかったら全く走行しなくなりました。もうメーカーのサービスも部品切れの可能性アリとのことで、諦めてオークションにて掘り出し物のブラックDTC-77ESを手に入れたら、動かなかった77ES(N)が自然に復旧するというテイタラクorz。また、個体に関わらず、少し使用しないとテープローディング・メカ辺りの精度が落ちるのか、トラッキング・エラーによるデジタルノイズに悩ませられることもしばしばです。デジタルノイズは音的に心臓に悪い(苦笑)だけでなく、音量によってはスピーカーに影響を及ぼすに違いありません。あれはよくないです(笑)

 

さらに1990年代ころに製造した各社のオーディオ機器は、特にチップコンデンサーの液漏れを生じやすいそうで、液漏れによって基盤がダメになると修理再生不能になるそうです。77ESの場合、録再基板に使われているチップコンデンサーの電圧が実際の電圧ぎりぎりで液漏れが起こりやすいそうです。

 

また、SCMSといういやらしいコピー制御があるのも許せません。申し訳ありませんが音楽の著作権協会ははっきり言ってお客様のことを大切にしない圧力団体に過ぎないと今でも思っています。私は彼らの利益を損ねることは何一つしていないのに、すごく不便に思っているのですから。そういうこともDATが普及しなかったことの一つだと思います。

 

そういうわけで、今は掘り出し物のDTC-77ESがいまでも録音のメインに座っていることは事実です(従来の77ES(N)は無事復活しましたが、今はどこにも接続させていません。どうしよう・・・)。手に入れた77ESはチップコンデンサーの交換も行っているため、当分は心配なく使用できそうです。

 

従来ためていたコンパクトカセットのライブラリが数百本もあって、それをすでに77ESを使用してDATに収録しました。それがあるかぎりDATは大切な機器です。CDはもはやiPhoneにすべて入れてありますし、業務用CDレコーダも所有していますので、敢えてDATに入れる必然性はありません。FM系は音質が悪くなり録音する気が起きません。ライブ録音は最新のPCMレコーダ(SONY PCM-D50)がありますので、DATよりもずっと音質的にいいですから(96kHz24ビット)、もはやDATの出番はなくなりました。

 

それでもなぜかDATを中心に我が家のオーディオメディアは構築されているという不思議さ。

 

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※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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